足立のパチンコ店 年金受給日は稼働率アップ  1玉50銭 受けてます

足立のパチンコ店 年金受給日は稼働率アップ  1玉50銭 受けてます

経済不況が続く中、足立区のパチンコ店に1玉50銭で楽しめるパチンコ台が登場し、話題を集めている。全国的にも異例の低料金で、懐が寂しい人も楽しめ、稼働率も好調だ。背景には、客離れが進むパチンコ業界の苦しい台所事情があり、50銭パチンコ台で“起死回生 ”を狙う。 (岡村淳司)

風営法ではギャンブル性に歯止めをかけるため、貸玉料金を一玉四円以下と規定され、一般的には四円台が主流になっている。

五十銭台を設置したのは、低価格路線の先駆けとして知られる「ピーアークホールディングス」(本社・中央区)。昨年、同社が経営する足立区竹の塚の店舗の一部に七十八基置いた。格安のため利益性はそれほど高くないが、「他店と同じことをやっていてはだめ。パチンコ人口を増やしたかった」と同社広報・IR室の本間圭輔室長。

五十銭台の平均稼働率は60−70%で、四円台のほぼ倍。利用者は高齢者も多く、年金支給日には稼働率が上がるという。区内の女性(80)は「子どもも夫もいなくて寂しいからよく来る。五百円でも結構遊べるから、年金生活の身にはありがたい」と話す。

全日本遊技事業協同組合連合会によると、貸玉料金の低価格化は全国的な傾向で、その背景に業界の苦境がある。同連合会の調査では昨年末の店舗数は一万二千九百七十三件で、一九九五年から三割も減った。娯楽の多様化に加え、昨年からの経済不況も追い打ちを掛けている。

同連合会の広報担当者は「これまでパチンコに熱狂的な人たちを偏重しすぎて客離れにつながった。各店とも生き残るために必死で、低料金化もその一環だろう」と説明する。